正直しんどい

140文字では書ききれないパッション

【闇金ドッグス6】感想文


「闇金ドッグス6」予告

 

 ついにこれを観るときがきたか、と思った。闇金ドッグスシリーズはアマゾンプライムに配信されている1~5(そしてガチバンウルトラマックスとガチバンニュージェネレーション2)までは本気で数え切れないほど視聴していたのだが、6以降には未だ触れていなかった。

 アマプラに配信されていないのもあるし、レビューを見てウッと思ってしまったというのもある。ウッと思ってしまった理由は、6がラブストーリーと銘打たれているから。安藤忠臣の女として過ごしている私にとっては今作はそこそこ勇気のいる視聴だったのだ。(わらうとこ)

 

 結論として6を観て良かったかというと、大変良かった。

 何より新しい安藤忠臣をインプット出来るということ。安藤忠臣を演じているときの山田裕貴が一番いい。のちに記事を書こうと思っているHiGH&LOWの村山良樹も同じくらい魅力に満ちているが、私が山田裕貴に沈んだのが安藤忠臣きっかけなので、そこは揺るぎなさそうだ。

 安藤忠臣が「ふんどし」という単語を発した事実。右手でちょっとかわいい文字を書いているシーン。部下の須藤司を「司」と呼び捨てにしていること。はじめからテンションが最高潮である。安藤さんその名刺一枚くださいと切実にお願いしたい。

 安藤忠臣はたびたび猫なで声を出しながら債務者の肩~二の腕あたりを撫でてポンポンする動作をするのだが(そしてそのあとほぼ無表情で債務者を罵倒する)、それが何とも言えず好きなので今後も何度も登場してほしいと思う。

 

 闇金ドッグス6では安藤忠臣の中学時代の元カノ・未奈美が登場する。未奈美は安藤の担当する債務者の妻となっていた。ここでその件についてだらだらと述べたいと思う。

 詳しくは語られないが中一~中三までの期間のどこかで交際していて、そこから10年以上経っている。安藤は高校を3日で辞めているしそこからヤクザに就職している。未奈美は安藤がヤクザの道を選んだことは知っているが、その期間に会ったことはない。お互いを名字呼び捨てで呼び合っている二人が、中学時代の付き合いの時点で深い関係になっていたのかどうかは不明。というかガチウルの安藤忠臣があまりにもDTっぽいピュアでかわいい犬コロに見えるからそういうのは無いと思っていた。

 「結局安藤は金なんだね」って当たり前じゃねーか安藤さんは金貸してる側なんだぞいい加減にしろ。といった具合に未奈美へのヘイトが溜まっていく。安藤をバカヤンだったとなじっているが元カノ未奈美もたいがいバカである。調べもせずに連れ出しスナックで働き出して客に迫られて大騒ぎしてスナックのトイレに籠城するわ、たまたま安藤の掛けてきた電話にすがって助けを求めるわ、それで安藤も全速力でスナックに駆けつけちゃうわ。未奈美に迫った客をボコボコにぶちのめした挙句酒瓶でぶん殴るわ。

 未奈美は助けてもらっておきながら安藤に対して助け方についてのダメ出しをする始末。観ているこっちが「なにやってんだよ」と言いたくなる。未奈美にも、それを助ける安藤にも。

 安藤忠臣も、かつて惚れた女には弱いということか。流れでホテル行っちゃうほど。このあたりのラブストーリー展開は観ているのが結構つらかったのだが背中の阿修羅を拝むことが出来たのは良かったし、一戦交えたあとにぼーっと煙草を吸っている姿も良かった。安藤忠臣にピロートークは必要ない。

 

 一方で須藤司は回収が上手くいっていない。前作5で沼岸親子を結果的に心中に追い込んでしまったことが原因だった。ことあるごとにその記憶が蘇っては嘔吐する。明るさと軽薄さが取り柄だった彼はすっかり落ち込んでしまっている。

 酒に酔った須藤は「女幸せにしたいとかないんスか」と悲しそうに安藤に訴える。安藤はそれについて何も答えないが、安藤には他人を幸せにするという選択肢はない、と私は思う。自らのことだって幸せにしてやれることはないのだから。かつての兄貴分に手をかけてヤクザとしてのし上がった。ラストファイナンスを始めてからは債務者の親を結果的に殺させた。その過去は一生つきまとうものだから、安藤は孤独に生きていくしかないのだ。

 

 未奈美は旦那と別れて安藤と一緒になる未来を夢見た。幼い恋人同士だった二人の思い出の場所、二人の名前を書いた南京錠をかけた柵の前で待っていると未奈美は伝えたが、安藤はそれに応えなかったし、逡巡することもなかった。

 安藤は未奈美と行ったホテルのライターを持ち帰っていたが、ガス切れで煙草に火を点けることが出来ない。もう使えないライターを投げ捨てる場面は、未奈美との淡い思い出を放ったことを示していたのだろう。これでこそ。これでこそ安藤忠臣だよ。

 

 安藤忠臣の女として負ったダメージも多少あったが、今作は彼の魅力をさらに上げる作品となっていた。孤独を深めながらも自分のために生きていく。そんな彼に愛おしさと憐憫の情を抱かずにはいられなかった。

山田裕貴は宇宙

  自分の内側で大爆発を起こして日々煤だらけになりながら親指を立てて生きるの楽しいぜ〜っていう気持ちになっている。あまりにポジティブが過ぎるのでもしこれが躁鬱における躁状態だったとしたら嫌だなと思いながらすでに1ヶ月が経とうとしているので、おそらくこれは単純にテンションがぶち上がってるだけだと思われる。反動への不安をぶち壊してパッションの赴くままにオタク活動していくつもりだ。

 

 今私が一番注目している人物が、俳優の山田裕貴である。

 彼の存在を初めて知ったのは海賊戦隊ゴーカイジャーという番組で、彼はブルーの戦士をやっていた。長い黒髪(さらっさらのツヤッツヤ)を後ろで束ねているというだけで何故か面白くて笑ったし、その上名前がジョーギブケン。ギャグではないのかと思うようなネーミングであったし(特にすごい名前はグリーンの戦士のドン・ドッゴイヤーである)、当時はその番組やゴーカイブルーにどっぷりとハマることはなかったが、普通に楽しんで視聴していたようには思う。

 

 そこから6年以上は山田裕貴から離れた生活(大袈裟)をしていたが、あるときふとしたきっかけで闇金ドッグスを経て安藤忠臣というキャラクターに惚れ、中の人を調べてみると山田裕貴という名前であることを知る。山田裕貴? ウィキ見てみよう。あっこの人ゴーカイブルーじゃん!! もう最高潮である。悠久の時を経てもゴーカイブルーことジョーギブケンは私のテンションを上げてくれる存在なのだ。

 

 山田裕貴の魅力はなんだろうか。

 すべて! と言ったらそれまでなのだけれど彼は生き様から性格や容姿、そのすべてにきらめきをまとっていると思っている。

 俳優として色んな挑戦をしようという気概、キャラクターを演じるのではなくキャラクターを生きようとする熱意、使われることを計算したうえで演技の中に入れ込むアドリブ。もっと人々に多岐に知られたいという精神。ツイッターやインスタからでしか知ることはできないが、無邪気な少年のような中身。

 

 外見的な魅力といえば何より瞳にあると思う。彼の瞳は黒々としたガラス玉のように見える。表情では笑っていても瞳の奥は笑っていない。

 演技の際にほとんどまばたきをしない。なのでこちらもまじまじとその瞳を眺めてしまう。まつげも長くふさふさとしていて、羨ましいと思うほど。

 私は山田裕貴の横顔が好きだ。鼻から唇にかけてのラインが好きだ。下唇が少し前に出ているのがとても好きだ。煙草を咥える仕草や煙草を挟む細い指先が大好きだ。

 

 今ではゴーカイジャーアマゾンプライムで観ながらジョーギブケンの天然ぶりに悶えたりなどしている。あの当時は面白いキャラだとしか思っていなかったのに、役者そのものを好きになるということは不思議なものだ。

 彼の出演作も徐々に視聴していっている。主人公の友人などの役柄が多い中で主役を演じた「闇金ドッグス」シリーズ、物語の重要なポジションである人物を演じた「HiGH&LOW」シリーズは彼の魅力を堪能するのにうってつけの作品であると思う。

 安藤忠臣という人物にこれでもかと言うほど沈み込んでいるので、闇金ドッグスシリーズが7作品も作られ、これから8、9が上映されるということが本当に嬉しい。幸せである。こんなにも供給されていいのだろうかとすら思える。餌を与えられすぎている今、それがなくなる未来を想像すると恐ろしいものがある。

 

 山田裕貴にはこれからももっともっとあらゆる役を生きてほしいし、たくさんのファンに愛されていってほしい。彼が出演するならば苦手な恋愛モノだって観に行きたい。スーサイダルテンデンシーズのバンダナとBLACKMACHINEの青チェックシャツとかスカジャンとか身に着けたりして鬼邪高の女を気取ってキャッキャしてみたい。

 これだけ楽しくて熱い気分にさせられるものに出会えたことが嬉しい。ありがとうユウキヤマダ。これからも応援していく所存である。

【二度めの夏、二度と会えない君】感想文


映画『二度めの夏、二度と会えない君』予告編

 

「バンド組もう!」高校3年の夏の始めに、彼女は言った。
智が通う北高に転校してきた燐は、文化祭でライブをするという夢を叶えるためにやってきた。
そしてメンバーとして集められたのが、智、姫子、六郎だった。
バンド活動が禁止されている中、生徒会長の菅野瑛子の手助けもあり、文化祭ライブは成功を収めた。
そして、夏のおわりに、智は燐に自分の想いを伝える。だがそれは取り返しのつかない言葉として刻まれ、2人を引き裂いてしまう。
なぜ、あんなことを言ってしまったのだろう。もしもやり直せるなら──そう思ったある日、半年前にタイムリープした智は、“あの夏”をやり直すチャンスを手にする。
今度は絶対に燐に“告白しない”と心に決めた智。しかし、二度めの夏は一度めと何か違っていた。

果たしてライブは成功するのか。二度めの夏はどんな結末を迎えるのか──。

 

 

 (映画のストーリーは感想文を書いた後に公式サイトから引用した)

 主演は村上虹郎。彼の演技を初めて見たのは「仰げば尊し」という青春音楽モノだった。その際は特に何も思わなかったのだが、二度目に彼の演技を知ったのがアニメ「いぬやしき」の獅子神役で、それがあまりにも抑揚のない声だったのでえっ……? と思ったのをよく覚えている。

 今作「二度めの夏、二度と会えない君」は、村上虹郎演じるサトシとその女友達リンがバンド演奏を終えたところから始まる。演奏を終えて二人での帰り道、リンが急に意識を失って倒れ、サトシは慌てて病院に連れて行く。そこでリンが病気で余命いくばくもないことを知る。サトシは「おれお前のこと好きだよ!」と言うも、リンは「どうして今そういうこと言うの? きみは大切な仲間なのに。帰ってよ」とサトシを病室から追い出す。そして二ヶ月後、リンは死んでいる。(なんだそれは)

 傷心のサトシは冬の河川敷を歩いている。そこでうっかり足を滑らせ、坂道を転がり落ちる。いってぇ~……と言いながら起きあがってみれば、そこは半年前の河川敷だった。季節は夏になろうとしている頃。サトシは悟るのである、「これからもう一度あの夏をやりなおせるんだ。もう告白なんてしない。リンのことを傷つけたりしない」と。

 

 しょっぱなからああそういう感じの話かあ……と半目になりながら思いつつも、私の目的は正直言って山田裕貴なのでそのまま視聴を続けることにする。普段は決して自ら選ぶことのないジャンルの映画を観たい! と強く思えるあたり、山田裕貴の集客力は飛び抜けている。

 

 山田裕貴は天才彫刻家・石田六郎を演じている。銀髪の変態ベーシスト。

 「~かい?」口調の山田裕貴、一人称が僕の山田裕貴、ラムネを飲む山田裕貴、ボタンを一番上までとめてネクタイをきっちり閉めている山田裕貴、真っ赤なベースを弾く山田裕貴……。そのすべてにありがとうと言いたい。彼の眉と目の形がとても好きだ。高い鼻も厚い唇も好きだ。制服姿もいいし私服姿もいい。花火ではしゃぐ六郎は最高にCuteである。

 女の子に両側から寄りかかられて眠る六郎もまるで美少女のよう。あの後部座席には女の子しか存在しなかったのだ。

 

 この映画での演奏シーンは吹き替えを一切していないという。リンの甘い歌声もかわいらしい。各メンバーがみんな自分で演奏していると思うとそれだけで手を叩いて応援したくなる。

 リンのような天真爛漫感情豊かで悪意無く他人を振り回すタイプのキャラはあまり得意ではないしサトシのような自分の気持ちを抑え込んで他人を優先しようとするキャラもあまり得意でなく、ストーリーそのものに関しては感情移入も感動も特に何もなくただ観ているだけだったけれど(もちろん個人の主観である)、演奏シーンも演奏している曲もすべて本当にすばらしかったし存在感のある山田裕貴の演技が見られてよかったので素敵な作品だったと思う。

 山田裕貴is最高を感じられた。ありがとう銀髪の変態ベーシスト。

 あと私はツンデレながら最終的にはバンド活動のアシストをしてくれる生徒会長が好きだった。

 

 余命がいくばくもないリンが死の間際以外ははちゃめちゃに元気に活動していたことへの疑問は考えないことにして、二度めの夏、二度と会えない君はとても爽やかな青春映画だった。半年前の夏をやり直したサトシは一度目の夏とは違う結末を迎えることが出来た。残った仲間たちに笑顔で「バンドやろうぜ」と語りかけるラストシーンの、雪景色がとてもきれいだった。