正直しんどい

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【クローズEXPLODE】感想文


Crows Explode (クローズ EXPLODE ) Official Trailer #1 - Toyoda Toshiaki Movie HD

 ヤンキーたちがボコスカ乱闘する映画が大好きである。

 その中でもトップクラスで好きなのがクローズZEROという作品で、男同士の友情の熱さと戦いの“マジ”さ加減、そして随所に点在するツッコミポイントとギャグのバランスがとてもいい。ちなみに私が好きなのは「頭割れたらセメダイン」っていうセリフ。

 そもそもクローズを好きになったのは友達の家に行ったときに「これを観ろ」と問答無用で映画をみせられたことがきっかけで、無事にクローズに嵌ったものの、友人曰く「EXPLODEはなんか違うから観なくてもいいと思う」らしいのでそのままにしていた。

 

 しかし自分がHiGH&LOWシリーズに頭まで浸かってしまい日々その感想および中の人たちの情報を調べるようになっていったうちに、EXPLODEには私の知る俳優やダンサーが何人も登場していることを知った。改めてキャストを確認してみると、

 

 東出昌大, 早乙女太一, 勝地涼,KENZO, 矢本悠馬, 奥野瑛太, 遠藤雄弥, 柿澤勇人, 柳俊太郎, 深水元基, やべきょうすけ, 高橋努, 浅見れいな, 高岡早紀, 板尾創路, ELLY, 岩田剛典, 永山絢斗, 柳楽優弥

 

 え……ハイローに出てるひとめっちゃ登場するじゃん……。(下線をつけた人がハイロー出演者)

 上記のキャストはアマゾンの商品紹介ページに記されているのをコピペしたもので、wikiを見てみると野替愁平(ハイローのパール)もいるし。一ノ瀬ワタル(ハイローの関ちゃん)もいるし(クローズのwikiには載っておらず本人のwikiに掲載されている。ちゃんと掲載してあげてほしい)。といった具合に愕然としたので、アマゾンプライムの評価がZEROとZEROⅡに比べてやたらと低いことに多少の不安を抱きつつも再生したわけである。

 

 クローズEXPLODE。それはZEROとZEROⅡでボコスカやってたヤンキーたちが卒業した後の世界(ZEROⅡから一か月後)。頭が不在となった鈴蘭高校の頂点を誰が獲るか? その抗争が日々起きているようである。

 

 視聴した結果、思っていたよりひどくなかった。っていうのが初めに思ったことだった。

 酷評はこの一作そのものに対するよりも、ZEROとZEROⅡと比較した結果によるものが多いのだろうと。ZEROとZEROⅡは文句のつけようのない面白さであったしすっきりと終わっているものの、EXPLODEはぼんやりとしている部分というか、粗が目立つ。そして迫力に欠ける印象がある。

 

 まず主人公がきれいすぎる。主人公の父親はボクサーで、試合後に命を落としている。そのことがあり自分は(父親のように)喧嘩をしないと決めている。っていうバックグラウンドの時点でちょっと疑問を抱いてしまう。ボクシングと喧嘩は別物なのでは……。そしてそういう信念があるのにどうして毎日喧嘩祭りの鈴蘭に転校してきたの? 学校は鈴蘭しかないの? まさか転校先の学校風景も調べずにいきなりやってきたの? 喧嘩をしないと決めてるならまず鈴蘭は選ばないんじゃないの……という疑問が頻出する。それを突っ込んでいると話が進まないので仕方ないとしても、物語のほぼ終盤までは「頂点なんて興味ない」とスカしていた主人公が、鈴蘭の規格外の男・リンダマンとちょっと会話したら急にてっぺん獲る気になるのが謎である。

 

 永山絢斗がいい。閉塞感に満ちて人生に夢も希望もなにもないからっぽの男が、なんとか自分が立ち上がる、のし上がるための細い細い命綱を必死に掴んで走っているような、もうギリギリなんだよっていうのを全身で叫んでいるような役がいい。散々暴れ散らしといて倒されもせずに退場するエンドだけは許さん。

 

 柳楽優弥がいい。柳楽優弥は「ディストラクション・ベイビーズ」で他人を殴ることに悦びを見出すサイコ野郎を演じていて、セリフはほとんどないのにも関わらず強烈なインパクトを与え、拳でも目でも相手を殺すような迫力がある。このEXPLODEでもあの強すぎる眼力でギラギラしていて良かった。

 

 ELLYの演じているキャラクター、山下甲兵がいい。厳つい顔にがたいのいい身体には学ランヤンキー役が良く似合う。山下は「キ●タマ狩り」という言葉が口癖のようで、えりたん下ネタ苦手なのにそんな卑猥ワード連発してたんだな……って思うときゅんとする。

 ELLYと一ノ瀬ワタルのパワーファイト。ここからすでにICEと関ちゃんの因縁があったんだな……と感慨深くなる。

 

 岩田剛典の演じた柴田浩樹にはうっかり恋をしそうになる。主人公とのバトルの最中に「お前面白いな」なんて笑って言う。がんちゃんは跡部様だった。

 柴田は男気に溢れている。かつて同じ高校にいた№2、藤原(永山絢斗)との喧嘩で大やけどを負っても相手を恨むことをせず「あれは事故だ」と言うし、その藤原に腕を折られても怒らないどころか、病院で処置をしたあとに「人生楽しまないとな」みたいなことを言って笑っている。しまいには火傷と骨折を負わせた上に人生からもドロップアウトしようとしている藤原に対し「学校戻ってこい」なんて言ってあげている。器の大きさが果てしなくて、やだ好き……みたいな気持ちにさせられる。

 

 いろいろ言っても共闘展開は好きなので、終盤に各勢力が集結して力を合わせるのは胸が熱くなる。他校の柴田まで来てくれる。男気が果てしない。柴田の学校にはSWAYこと野替くんが角住役で登場していて、大型犬めちゃくちゃかわいいって気持ちにさせてくれる。ハイローでパールを演じていたことから彼を知り、彼の笑顔に惹かれている。マイティではパール推し。太陽属性感に満ちていて眩しい。

 

 おがんと永山絢斗のバトルの終わり方は「は!?」と思わされたし、東出昌大早乙女太一との一騎打ちは結構あっさりだったし、お約束のリンダマンエンドのときにも他校のおがんが居て笑ったけど、総評は「わりとおもしろく観られた」。

 

 ワイルドサイドの友達の歌も変わらずに登場したので嬉しかったし、やべきょうすけの演技が良いので観ていてホッとした。偉そうにだらだら書いたけど、最後までめちゃくちゃ楽しみながら観た。